2024.10.01
フマキラー株式会社(本社:東京都千代田区、社長:大下一明)では、溶血性レンサ球菌M1UK株の消毒効果確認試験を外部機関(山口東京理科大学)の協力のもと実施し、当社製品2品について、その効果が2024年10月1日公開の「医学と薬学 81巻10号」にて掲載されましたのでご報告します。
アルコール消毒プレミアム ウイルシャット手指用(指定医薬部外品) |
アルコール消毒プレミアム ウイルシャット メディカルケア(第2類医薬品) |
試験内容:当社製品2品に対して溶血性レンサ球菌M1UK株への消毒効果を確認した。
試験方法概要:
<供試菌> 溶血性レンサ球菌M1UK株(Streptococcus pyogenesM1UK株)
<方法>
①試験薬剤9.9 mLに菌液0.1 mLを混合し、15秒間作用させた。
②作用後、培地で希釈を行い、作用を停止させた。
③②の液を寒天培地に播種したのち培養した。
④コロニー数をカウントし、減少率を求めた。
試験品 | 無処理対照の生菌数 (CFU/mL) |
試験薬剤15秒処理後の生菌数 (CFU/mL) |
減少率 |
---|---|---|---|
アルコール消毒プレミアム ウイルシャット手指用 |
1.0×106 | 1.0×102 (検出限界) |
99.99%以上 |
ウイルシャット メディカルケア | 1.0×106 | 1.0×102 (検出限界) |
99.99%以上 |
※減少率(%):{1–(試験薬剤15秒処理後の生菌数/無処理対照の生菌数)}×100
試験品2品において、検出限界の99.99%以上の消毒効果を発揮していることが確認されました。
※出典/医学と薬学 第81巻10号
写真:溶血性レンサ球菌M1UK株を、血液寒天培地で培養した状態。
■溶血性レンサ球菌M1UK株について
溶血性レンサ球菌は、グラム陽性の球菌であり、連鎖状の配列を形成する。鞭毛を有しておらず、芽胞を形成しない。M1UK株は、溶血性レンサ球菌M1株のうち、特徴的な27個の一塩基多型により定義され、2011年以降、英国にて分離頻度が増加した。M1UK株は、M1株と比較して、発赤毒素の産生量が約9倍多く、伝搬性も高いとされている。劇症型溶血性レンサ球菌感染症の国内感染者数が過去最多だった2023年1年間の報告数を大幅に超えている状況の中、国内にて溶血性レンサ球菌M1UK株の地域集積も確認されており、流行との関連性が示唆されている。
なお、試験品2製品は以下のウイルス・細菌・真菌に対して高い効果を示すことが確認されています。
新型コロナウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルス、鳥インフルエンザウイルス、ネコカリシウイルス(ノロウイルス代替ウイルス)、ロタウイルス、アデノウイルス、黄色ブドウ球菌、リステリア、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、ミクロコッカス、大腸菌O157、サルモネラ、腸炎ビブリオ、カンピロバクター、緑膿菌、アシネトバクター、レジオネラ、肺炎桿菌、プロテウス、セラチア、セパシア、白癬菌、クロコウジカビ、カンジダ、溶血性レンサ球菌
※出典/医学と薬学 79巻10号、79巻12号、81巻8号
※「ウイルシャット メディカルケア」は「メディカルケア」の一物多名称である。