虫の研究室
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せまいところがだいすきなムカデは、とつぜんボクたちの前にあらわれてびっくりさせるね。 ムカデは身近な虫だけどこん虫ではないんだよ。
ムカデ
(こん虫ではない)
オオムカデ目
オオムカデ科、メナシムカデ科
ふつうに見かけるムカデはオオムカデ科のもので、トビズムカデ、アオズムカデ、アカズムカデなど。15cmより大きなものもいる。
春から秋まで見られる。とくに5月〜7月にかけておおく、あつすぎる8月はすくなくなる。9月〜10月にかけてまた見られるようになるよ。
ひるまはしめった石、木、おちばの下、ワラの中、石がきのあいだなどにかくれていて、夜、エサをもとめてウロウロする。つゆには家の中にはいりこむことがあり、くつの中のようなせまいところが好きで、もぐりこんで
被害
(
ひがい
)
をあたえる。
ふつうに見かけるムカデはオオムカデ科(足が21対)のもの。メナシムカデ科のムカデ(足が23対)はしめった
朽木
(
くちき
)
などにすんでいて、家にはいることはない。
オオムカデ目にちかいなかまとして、ゲジ、イッスンムカデ(いずれも足が15対)、ジムカデ(足が31〜191対)などがある。
ムカデの
産卵
(
さんらん
)
は、
早春
(
そうしゅん
)
から
初夏
(
しょか
)
に草むらやおち葉、石の下などでおこなわれる。1回50コほど
産卵
(
さんらん
)
し、メス
親
(
おや
)
がタマゴのかたまりやふ化したよう虫をまもる
習性
(
しゅうせい
)
がある。約2ヶ月で
親
(
おや
)
からはなれ、ひとりだけのくらしにはいる。約3年で
生殖
(
せいしょく
)
ができるようになり、約5年生きる。
肉食性
(
にくしょくせい
)
で、
頭部
(
とうぶ
)
に
毒牙
(
どくが
)
をもち、これで小さいこん虫(モリチャバネゴキブリ、コオロギなど)やクモなどをとらえて食べる。しいくしているムカデは、ハム、ソーセージ、ペット用
乾燥
(
かんそう
)
肉
(
にく
)
なども食べるぞ。
「よくみかける場所は?」
をよんでみよう。
ムカデは長生きするので、何回も冬をこす。11月ころには土の中にもぐって冬をこすんだけれど、同じばしょに何びきもあつまっていることがあるよ。冬をこしてから目ざめるのは4月ころで、ゲジやイッスンムカデとくらべるとおそく、さむさにはよわいようだ。
ムカデによる
被害
(
ひがい
)
は、家に入りこんだものにかまれること。ムカデは
毒牙
(
どくが
)
からたくさんの
毒
(
どく
)
をだすので、かまれるととてもつよいいたみが長いあいだつづくんだ。
家の中に入り込んだムカデに対しては「
ムカデフマキラー
」などをそのままふきかける。家に入らせないためには 「
わる虫フマキラー粉剤
」などを家のまわりにまく。
家のまわりにあるムカデのすみかになりそうな石・木・
植木
(
うえき
)
鉢
(
ばち
)
などをかたづけるか、それらの下に「
わる虫フマキラー粉剤
」などをまく。
ムカデは
肉食性
(
にくしょくせい
)
で、エサとなる虫がふえすぎないように、食べて
生態
(
せいたい
)
系
(
けい
)
のバランスをたもっている。家の中ではゴキブリなどを食べてくれるので、あるいみでは「
益虫
(
えきちゅう
)
」だ。また、ムカデじしんも鳥などのエサとなって
生態
(
せいたい
)
系
(
けい
)
をささえているよ。
外国ではムカデを食べたり
漢方薬
(
かんぽうやく
)
の
材料
(
ざいりょう
)
としてつかっている国があるんだ。また、大がたの
観賞魚
(
かんしょうぎょ
)
(アロワナなど)のエサとしてムカデがうられている。
ムカデとよくまちがわれる虫にヤスデがいる。ムカデとヤスデのちがいは、ムカデが体の1節から1対の足が出ているのに対し、ヤスデは2対出ていること。つまり、ヤスデはムカデのばいの数の足をもっていることになる。ヤスデはムカデとちがって
肉食性
(
にくしょくせい
)
ではなく、くさったおち葉などを食べているので人をかむことはないよ。