虫の研究室 ＞ こん虫・がい虫なるほど情報室 ＞ ゴキブリ 虫のなかでいちばんきらわれもののゴキブリ。だけどみんなの役にたってくれているんだよ。 　 ゴキブリ 　 ゴキブリ目 ゴキブリ科、チャバネゴキブリ科 　 ふつうに見かけるのはゴキブリ科のクロゴキブリ、チャバネゴキブリ科のチャバネゴキブリ。クロゴキブリでは25〜30mmくらい、チャバネゴキブリでは11〜15mmくらい。 　 暖房（だんぼう）のきいた家のなかでは1年じゅう見られる。ふつうの家では春〜秋に見られるぞ。 　 ひるまは台所（だいどころ）、風呂場（ふろば）、トイレ、洗濯機（せんたくき）のまわり、冷蔵庫（れいぞうこ）のまわりなど、あたたかい・しめった・くらい・せまいすき間にひそみ、夜になるとエサをさがして歩きまわる。キッチンに生ゴミがおいてあると、たくさんよってくるぞ。ひき出しのなかでもみかける。 　 日本には約60しゅるいのゴキブリがすんでいる。ほとんどは森林性（しんりんせい）で、家の中にはいりこんで、もんだいをひきおこすのは数しゅるいだ。 ゴキブリ科のゴキブリにはクロゴキブリのほか、ワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ、ヤマトゴキブリなどがいる。チャバネゴキブリ科のゴキブリにはチャバネゴキブリ、モリチャバネゴキブリなどがいるよ。 　 ゴキブリのなかまはいずれもタマゴを「卵鞘（らんしょう）」というカプセルに入れてうむ。1つの卵鞘（らんしょう）にはいっているタマゴの数はクロゴキブリでは20〜25こ、チャバネゴキブリでは30〜40こ。クロゴキブリでは卵鞘（らんしょう）をいろいろなところにうみつけるけれど、チャバネゴキブリでは幼虫（ようちゅう）がふ化するまでおしりにつけて歩くんだ。タマゴの期間（きかん）はクロゴキブリでは40〜50日、チャバネゴキブリではおよそ20日。タマゴから成虫（せいちゅう）までの期間（きかん）は、クロゴキブリでは1年くらい。チャバネゴキブリでは3ヶ月くらいとみじかく、チャバネゴキブリの方が繁殖力（はんしょくりょく）がつよいんだ。 　 雑食性（ざっしょくせい）で、肉（にく）、やさい、なまゴミ、どうぶつのしたい、よごれたものなど、なんでも食べる。 　 「よくみかける場所は？」をよんでみよう。 　 ゴキブリは生命力（せいめいりょく）がつよく、水さえあれば1ヶ月以上いきる。手足（てあし）が1、2本もげてもへいきで歩きまわる。また、とてもせまいすき間でも通りぬけることができる。たとえばチャバネゴキブリの幼虫（ようちゅう）では1mm以下のすき間でも通りぬけられるんだ。 　 ゴキブリによる被害（ひがい）は、病気（びょうき）のもととなる菌（きん）をまきちらすこと。とくに、せきり、サルモネラ、コレラなど、食中毒（しょくちゅうどく）のもととなる菌（きん）をまきちらすんだ。 　 見かけたゴキブリに対しては「ゴキブリフマキラー」をふきつける。ゴキブリのよくでるばしょには「ホウ酸（さん）ダンゴ」などをおく。ゴキブリがたくさんいるときは、「フォグロンS」などでいっきにやっつけることもできる。 　 森林（しんりん）にすんでいるゴキブリは、さまざまな生きもののエサとなり、生態（せいたい）系（けい）をささえている。また、動物（どうぶつ）や植物（しょくぶつ）の死がいを食べて土にかえす役割（やくわり）をはたしているんだ。 　 ゴキブリは家のなかではきらわれもののNO.1だけど、その生命力（せいめいりょく）のつよさのため、世界じゅうでいろいろな実験（じっけん）につかわれているんだ。ゴキブリのおかげで、いろいろなことがあきらかになってきたんだよ。 また、外国ではゴキブリを食べたり、クスリのざいりょうとしている国がある。さいきんは、ペットとしていろいろなゴキブリがうられているよ。